◆支持率とはなんだろう より
・戦前は悪で、戦後は善という考え方は、じつに極悪でアンバランスなものだ。戦後日本は戦争を否決しただけでなく、自分の国さえも否定することが良いというような、おかしな言論がまかり通ってしまう風潮を生みだした。そうした風潮は日本が古くから培ってきた数々の美風や価値観を衰退させ、消滅させた。そのような考え方は、あまりにも一方的で、バランスに欠け、有害無益である。物事は常に多角的であり、見る角度によって違って見えてくる。その多様性の中で何が真で何が嘘なのか、しっかり洞察することに努めたい。
◆「精神の構造改革」こそが急務だ より
<2001年小泉首相の靖国神社参拝を8月13日に行ったという報道を受けて>
この一連の小泉首相の公約撤回騒動は、もとより現代の日本人が”緊張感”に耐えられなくなったことに収斂されているのではなかろうか。頑固なまでに自らの意思を貫く姿勢を見せていた小泉首相ですら、周囲の反対の声に屈するのだから、何をかいわんやである。まして一般社会に暮らす平凡な日本人が、ストレスに弱く、他人との対立を避け、そして緊張感に耐えることができずに逃げてしまうことなど責めようがない。ただ、そんな風潮に包まれた現代日本の社会は、なんとも‘異様’な風景に変貌しつつあることを指摘しておかねばなるまい。
日本社会にはもはや健全な‘緊張感’すらなくなったとしか言いようがない。
◆日本人に見る「覚悟の欠如」 より
アメリカが強いのは、国民の多くが心から国を愛しているからである。―中略―自分の国を愛さないものが、ほかの国を愛せるわけがない。無責任な言論、行動から逃れる者に、一国の運命を任せられるだろうか。真っ当な国づくりを示すには、覚悟が必要である。
◆「愛国心」についてひと言 より
ある日、人々の生活を脅かす非常の事態に際会したとき、永年静かに堆積されてきた郷土愛が熱く燃える愛国心へと昇華するのは少しも不思議ではない。愛する者を守りたいとする人間の本能的感情の発露である。「愛国心」とはそれ以上でもそれ以下でもない。不当に貶められてはならないし、法外に誇張されるべきでもない。
◆法を守ることが最善の危機管理 より
それにしても、要職に就く者やその縁者の‘危機管理能力の欠如’をどう解釈すればよいのだろうか。国家と違い、自由社会の権力者は全国民の監視に晒されている。自由民主の国ではその地位が高ければ高いほど、厳しく身を律することが要求される。目先の利益や私利私欲に目が眩むようでは人の上に立つ資格はない。
この著書を読んで、昔(日本人本来の姿)と今とでは大きく変わってしまったのではないかと感じました。現代の日本人にはまさに「国ありきの個人」という考えはないでしょう。物にも恵まれすぎて、自分で物事を考え、常に疑問を抱く・当事者意識を持つということが欠如している。この欠如が危機管理能力の欠如・緊張感の欠落にも繋がっているように思います。また、「支持率とはなんだろう」より引用した太文字の部分は今回実施した学内アンケートの一部の質問結果に繋がるものを感じました。そして「精神の構造改革」こそ現代の日本人一人ひとりに一番大事なことだと感じ、国民ひとりひとりが少しでも考え、意識することが大事であります。その一つひとつが広がっていくことによりいずれ日本全体へと繋がっていくのではないでしょうか。
岡戸 まどか
<参考文献>
金美齢 「日本人の覚悟」